クッキーは焼かない

クッキーは配るもの

TWICEライブ怪文書

 

 

TWICEのライブに行ってきました。

私とTWICEの出会いは何時だったかもう忘れてしまったのだが、多分5年くらい前だと思う。LIKEYのMV出たときはもうONCE*1だった記憶があるので、まあそのくらいだろう。そんなこんなで、私は5年間、MVを回し、AppleMusicで音楽を聴き続け、YouTubeチャンネルのコンテンツ*2を見て、韓国語分かんないけどVLIVE*3を見て云々かんぬん……とまあひとり孤独にコソコソと独自のファン活をしてきた。そこまでガチなファンではないと思うが、それでもずっと好きだった。YouTubeの通知ベルオンにしてるのTWICEちゃんだけ。
そんで今年の3月、友人がTWICEのライブチケ抽選チャレンジするので連番でチケとっていいかと聞いてくれたので、俺は大きくうなずき、その時点では正直取れると思っていなかった……、抽選鬼のような倍率なの知ってるから……、結果なんと取れた、取れたの……友よ…ありがとう……友情と彼女の日頃の行いに感謝……。
で、その一方を受けた俺はいそいそと飛行機を取り、宿を取り、JYPオンラインショップでエナジー棒(アレです、ペンライトのことです。どうにもペンライトという名前がパッと出てこないのでエナジー棒と独自に呼んでいる)を買い、彼女たちのMVを回し、イメトレをし、コール動画を見るなどし、昨日に備えてきた。日本哲学会?誰ですかそれは。知らない子ですね。
スタジアムライブに行くのが初めてだったもんで、友人と合流した後、どうなるんだ……何万人が一堂に会するってどうなるんだ……特に帰りの交通網……みたいな不安を抱きつつ、味の素スタジアムに移動する。TWICEちゃんにマジで直接会えるの……?画面越しの存在だった彼女たちに会え、ええ、そん、なに……一体何が起きるって言うんです、待ってくれ、TWICEちゃんが吐いた二酸化炭素を吸えるんですか!?そんな、俺は前世でどんな徳を積んだんだ!?!?みたいな謎メンタルで電車に揺られる。まわりで電車に揺られている人たちも勿論ONCEばかりである。君たちもTWICEが好きなんだね……私も…好きだよ……。
意外と入場はスムーズに行ったし、席も結構よかった(中央1階のまあまあ前の方)。これは情報なのですが、私の友人は徳を積んでいます。隣の席のお兄さんたちも「かなり席がよい」と喜んでいた。で、その後友人と2時間近く現在の時刻当てクイズをし続けたりぼんやりと誰もいないライブステージを見てチルするなどし、そして、そしてライブが始まっ、おお……もう……語彙が追いつかない。ダメ。体験しろ。

アイドルを応援するという行為は宗教である。アイドルは神であり、我々は人間であり信者である。席はよいとはいえ、勿論遠い。表情は視認できない。しかし見える。直接認識出来る。そんな小さく見える九人の女神が突然現れ、俺は泣いていた。だって、5年間画面越しでしか見たことなかったんだよ。それが、直接認識できる、この、このミラクルですけども!?SIXTEENの時から数えれば8年、その8年彼女たちの苦難も、炎上も、病気療養も、9人がまだ一緒にいるという奇跡も*4、それを全部受けいれて9人がまだ一緒のステージに立ってくれていて、しかも、重要なことに、俺と同じ時空間上にいる。少し歩けばすぐに近くに寄れる距離に、存在している。実在している。この奇跡が、このあり得ないほどの僥倖が、もう一気に来て、訳も分からず俺は泣いた。そして涙を拭いながら呟く言葉は「実在性の程度が高ェ……」いや、高いとかじゃなくて彼女たちは実在してるんですけど。でもね、私にとってはずっと画面越しの存在だったから、だったからあ!仕方ないじゃん!直接見るまでは分かんなかったんだもん!あとはもう、分かるよね。宗教ですよ。俺はこの熱狂を知っている。宗教の集会である。しかもヌルいタイプの奴じゃなくて、人があちらこちらでバッタバッタ倒れていくハードコアなタイプのやつ。あ、これ、昔何回も見てきたやつだ、と我にかえる度に思った。違うのはただ一点、俺もその熱狂の一部になっていることだけ。彼女たちが丸を四角と言えばそれはもう四角だし、甘い飴を苦いと言えばそれはもう苦いです。間違いない。そのレベル。ナヨンちゃんがコールのおかわりを求めればコールをもう一度し、ダヒョンちゃんがタモさんみたくコールの操作を所望すればその通りに声を出す。彼女たちが楽しくライブ出来るよう、我々は全力で叫び、エナジー棒を振り、エナジーを送る。ライブという営みは神と信者の共同作業だから、こちらもガチである。もらった分のリビドーを送り、そして再びリビドーをもらう。究極のリビドー備給。リビドー経済の完全成立。それがライブという名の宗教儀式。
ライブも終盤、日本語のニューシングルを歌いながらTWICEちゃんたちがゴンドラに乗って目の前に顕現する時間が到来し、アッ、も、ダメ、思い出しただけで光りに包まれてしまう、ダメ、ほん、マジ、もう、可愛い、可愛かった、意味分かんなかった、もう絶対いい匂いするていうかしてた、いい匂いが形を取っていたあれはもう、人生の絶頂だった、これが、これが善のイデアですかプラトン先生!?あるいはこれがエウダイモニアですかアリテレ先生!?違うと思うよ。でも、あのね、だって、ミナ*5が、ミナがいたの。目の前にミナがいたんです。目の前にミナがいて、歌ってて、動いてて、生きてて、笑ってて、あ、も、これはすごいことですよ。生きてるんです。実在なんです。光なんです。語彙なんて、不完全な言語なんてかなぐり捨てないと、これは表現できない。言語という重荷を捨てなければ表現できないことがある。それがあの永遠の瞬間であって、あの空間であって、本来決して得られなかった筈のリビドーだったんです。ナヨンちゃんも、ジョンヨンも、モモも、さーたんも、ジヒョも、ミナも、トゥブも、おチェンも、ツウィも、それぞれがエナジーとなり、渾然一体となってこの私を照らしているんです。だからこそ我々は生きていけるんです。それがTWICEというグループなんです。絶対的な自然法則がそこにはあったんです。自然法則そのものを私はこの目で見たんです。

世界!!!

泣くしかないんです。我々は大いなる存在を目の当たりにしたとき、泣くしかなくなるんです。ライブの中盤、Feel Specialを歌う彼女たちは、本当に光だったんです。

Feel Special。

Feel Specialは特別な曲である。

youtu.be

餅ゴリ*6がTWICEちゃんたちに直接話を聞いて作詞作曲したこの曲のリリース前、TWICEちゃんたちは色々と大変な状況にあった(詳しくはぐぐれ)。そういった状況、苦難があったという文脈を背負い、この曲を歌う彼女たち。ミナとサナ。9人。私はこの曲のPVでサナとミナを見るたびにそっと涙を流していた。だからこの曲は特別な曲だ。「何があっても、それでもあなた(メンバー)がいてくれるからまた笑う」というアンセムなのだ。You make me feel specialなのだ。そんなFeel Specialを笑顔で歌う彼女たちを見たら、本当に泣くしかなかった。9人が笑顔でいてくれてよかった。9人がいてくれてよかった。もう分かった。分かってしまった。この世界は最善だ。最善なんです。最も善きものなんです。あのときの味の素スタジアムは最善世界だったんです。
その光を前にして、最早我々には、なす術など残っていなかった。「か゛わ゛い゛い゛い゛い゛!!!」「ギャアアアアアオオオオオオオン!!!」「や゛ば゛い゛い゛い゛!!!」「ヨシン*7……ヨシンすぎる……」「キッ、キヨ~~~~~~*8!!!」「ポ゛ポ゛ッポ゛!!!」「トゥグトゥグトゥグ~!!!ハ゛ッハ゛ッ!!!」「モ゛ッモ゛ッモ゛ッモ゛ッモ゛ッエ゛ン゛モ゛ッ!!!」「ミ゛ナ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!」「ジヒョオオオアアアアアアアアアア!!!!」「ナッ、ナヨンちゃああああああん!!!!」「モモオオオオオッオオオオッオッ!!!!オ゛ッ!オ゛ェ゛ッ!!!!」「ソンチェエエヨオオオオオ!!!!」「ツウィエアアアアアアア!!!!」「ダヒョニエエエエエエエエ!!!!」「ユジョンヨオオオオオオオオン!!!」「サナアアアアアアアア!!!!」「うわあああああああああああ!!!!!!!」と叫んでたら2時間半終わってました。これはガチです。うわあああああああああああ!!!!!!!

 

TWICEちゃんたちと一緒に写真も撮ったんだよ!

この中に、何でもない存在のようでも、いなくなっても分からない人のようでも、私を呼ぶあなたの声でI feel loved, I feel so specialな俺がいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:TWICEのファンダムネームのこと。

*2:例えば、TTTっていうYouTubeのバラエティ番組みたいなのがあったりします。僕のオススメはTDOONG Tourだよ!字幕ONで見てね。

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*3:K-POPアイドルが生配信をするサイトみたいなの。今はもうないね、一応後継サイトはあるんだけどね。悲しい。

*4:韓国のアイドルは7年契約なので、7年経つとグループからの脱退者が普通に出る。

*5:私の推しです。TWICEちゃん箱推しだけどミナが一番好きです。時点でジヒョ。まあコレ見てヘブンしてくれよ。

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*6:JYPエンターテイメントの社長でTWICEのプロデューサーであるパク・ジニョンの愛称。餅が好きなゴリラが由来。まんまである。

*7:韓国語で女神をヨシンと読む。

*8:韓国語で可愛いをキヨウォと言います。